ほおずき|季節と特徴、魔除けや植えてはいけないといわれる理由
更新 2025.05.08
公開 2022.08.08
山田智美
# 花 # ほおずき(鬼灯)ほおずきについて、季節や特徴、魔除けや庭に植えてはいけないといわれる理由、言い伝え、遊び方などを紹介します。
目次
ほおずきとは?季節や特徴魔除けになる? 縁起物のほおずきほおずきを庭に植えてはいけないといわれる理由とは?ほおずきの遊び方ほおずきとは?季節や特徴
ほおずきの特徴
ほおずきは、オレンジ色の果実が印象的なナス科ホオズキ属の多年草。鮮やかなオレンジ色の実を提灯に見立て、お盆に飾ることでも有名です。古くに中国から薬草として渡来したと考えられていますが、現在では観賞用として鉢植えや切り花で流通しています。
草丈50~90cm程で、地下茎で増えるので群生している姿を見かけます。冬には地上部は枯れてなくなりますが、翌年また芽吹いてきます。
ほおずきの毒性観賞用として栽培されているほおずきは、アルカロイドを含んでいます。手で触れたり、植えたり、生けたりする分には問題はありませんが、食べないように気をつけてください。
ほおずきの花の季節
ほおずきの花が咲くのは、6月頃です。葉の脇から花径1.5cmほどのクリーム色の花を咲かせます。花は小さくて目立たない上に葉の脇に隠れるように咲くので、気づかれないことが多いようです。
ほおずきの実の季節
ほおずきの果実が実るのは、7月~8月。初夏に咲いた小さな花が数日で散り、その後に伸びたガクが提灯のようなフォルムを形成し、夏に実になります。実といっても正確には提灯のように見えるオレンジ色の部分はガクが大きくなったもので、なかに1つ入っているミニトマトのようなものが実です。始めは緑色、熟すに従いオレンジ色が濃くなっていきます。
ほおずきの実はお盆の飾りに使用されることから、7月~8月に切り花や鉢植えで流通します。
ほおずきの花言葉
ほおずきの花言葉は「自然美」「心の平安」です。
ほおずきの名前の由来
ほおずきの名前の由来は、カメムシ(旧名ホオ)が好むからという説や、果実を鳴らして遊ぶ際に頬に含むからなど諸説あります。また、漢字の由来は、オレンジ色の実が提灯のように見えることから「鬼灯」という漢字が当てられたといわれています。英名も Chinese lantern(チャイニーズランタン) あるいは Japanese lantern(ジャパニーズランタン) といい、提灯にちなんでいます。
さらに昔は、ほおずきの果実を八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の赤い目に見立てて、「アカカガチ」や「カガチ」とも呼ばれたそうです。
ほおずき?ほうずき?正しい名前は?
ほおずきの標準植物名は「ホオズキ」です。「ほうずき」というのは誤りですが、日本語の発音の難しさから、この誤解が生まれたようです。この機会に「お」であることを覚えていただければ幸いです。
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魔除けになる? 縁起物のほおずき
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ほおずきは魔除けになる?
ほおずきは、お盆に帰ってくるご先祖様の足元を照らす提灯、あるいは家の場所を知らせる灯りといわれ飾られる習慣があります。このことから、玄関に飾って魔除けとしたり、薬草であったほおずきの薬効にあやかって病除けとする風習があるそうです。
ほおずきは縁起物!ほおずき市とは
ほおずきは薬用になることから、無病息災を願う縁起の良い植物と考えられ、お寺の縁日で販売されるようになったのがほおずき市の始まりです。
ほおずき市とは、関東各地のお寺で7月に開催される「四万六千日(しまんろくせんにち)」という縁日に立つ市のこと。なかでも浅草の浅草寺のほおずき市は規模が大きく、人出も多いことで有名です。「四万六千日(しまんろくせんにち)」というのは、この日に参拝すると46000日分相当の功徳を得られるとされている日です。
一年でもっとも功徳が得られる縁日の市で、縁起の良いほおずきを買って帰るという風習が、ほおずき市として定着しました。ほおずき市は、今でも夏の風物詩として親しまれています。
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ほおずきを庭に植えてはいけないといわれる理由とは?
ほおずきを庭に植えてはいけないといわれる理由は、各地に伝わる「ほおずきは病人の唸り声を聞きたがる」「ほおずきを庭に植えると死人が出る、病人が出る」などのという言い伝えに由来しています。反対に「ほおずきを庭に植えると家が富む」という言い伝えもあります。
おもしろいのは、これらの言い伝えでは「勝手に生えてきたものは言い伝えの対象にならない」のだそうです。
こんなにある!ほおずきの言い伝え
薬草として、「ほおずきを丸のみすると病気にならない」「食べると腰痛が治る」や「食べると流産する」、反対に「食べると安産になる」という言い伝えもあります。
他にも「夜にほおずきを鳴らすとヘビがくる」というものもありました。なんでもカエルの声と間違えて寄ってくるのだとか。そこは聞き分けてほしいものです。
現在、観賞用として流通しているほおずきは、毒性があるので食用にはできません。食べないようにしましょう。
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ほおずきの遊び方
ほおずき笛
ほおずきの遊び方として有名なのは、笛です。実をくるくると回しながらガクから外し、なかの果肉を取り除いて、果皮だけにしたものを口のなかに含んで鳴らすという遊びです。
実を指でもんで、楊枝などでなかの果肉を取り除くのが難儀で、うまく出てこずに果皮が破れてしまうこともしばしば。果皮が破れると音は鳴りません。うまくいくとぎゅっぎゅっとカエルの鳴き声のような音が鳴ります。
透かしほおずき
外側のガクを葉脈だけにして楽しむ、透かしほおずきをご存知ですか。作り方はとっても簡単。ほおずきを水に浸けておくだけです。自宅で簡単に作れるので、ぜひチャレンジしてみてください。
▼透かしほおずきの作り方はこちら
ほおずきランプ
透かしほおずきを作ったら、次はほおずきランプにチャレンジしてみませんか。幻想的なインテリアが出来上がります。
ほおずきのドライフラワー
切り花のほおずきは、花びんに生けずにそのまま置いておくだけで、きれいなドライフラワーになります。中のミニトマトのような実はシワシワになりますが、赤いガクが美しいので、そのまま飾って楽しむことができます。
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ほおずきは古くから親しまれてきた植物です。提灯のようにも見えるオレンジ色の実は、どこかミステリアス。オブジェのようなほおずきの実の魅力を、眺めて、遊んで、楽しんでください。
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